思考の可能性。
人間は生きて、思考している。
それぞれからだを持ち、脳をひとつ持っている。
思考は、閉ざされているようで、ふと開かれたり、ほどかれたり、混ざり合ったりする。
感じる。かんがえることでは突破できないことは、感じられる。
感じることは、個的なことだけど、そこに漂うものは、両者の、あいだにある。
多数のあいだの雰囲気は、どの方向に流れるにせよ、大きい流れをつくることができる。
個のあいだの場合は、そこから大きくどこかに行けないにせよ、二者のあいだだけの理解と、親しみがある。もっと奥に、深くに。
どこにしがみつくこともない。
4月初旬の17時半過ぎの東京を走る電車。窓からの眺めは、閉じかかったダンボールをまた少し開いてゆくような少しだけの安寧を得させた。